アルトコイン・ビットコイン・金の比較分析

暗号資産であるビットコインとアルトコイン、そして伝統的資産である金(ゴールド)は、それぞれ性質の異なる資産クラスです。近年、法定通貨や外貨準備資産との関係性も議論されるほど注目を集めており、それぞれの特徴を多角的に比較することが重要です。本稿では、価格安定性、価値の裏付け、流動性、受容度、ボラティリティ、歴史的信頼性、法的明確性、地政学的中立性、技術的リスクといった軸でアルトコイン・ビットコイン・金の相違点を分析します。また、各資産と法定通貨・外貨準備資産との関係にも触れ、それらの特徴を総合的に評論します。

価格安定性

価格安定性とは、時間を通じて価値がどれほど安定しているかを指します。金(ゴールド)は価格安定性が高い資産といえます。市場相場で日々変動はあるものの、その価格は長期的には比較的緩やかに推移し、大きく価値を失うことが少ない傾向があります。例えばインフレや金融危機の局面でも、金はその希少性と実物資産としての需要に支えられて価値を保ちやすく、伝統的に安全資産とみなされてきました。

ビットコインの価格安定性は金に比べると低く、短期間で価格が大幅に変動し得ます。ビットコインは誕生以来長期的には価値を大きく伸ばしてきましたが、その途中には何度も急騰・急落を経験しています。週単位・月単位で見ても価格変動が激しく、法定通貨のような安定した「モノサシ」としては使いづらい部分があります。ただし時が経つにつれて市場規模が拡大し、取引参加者が増えたことで以前よりは価格の振れ幅が穏やかになりつつあるとも言われます。それでもなお、2020年代半ばの時点でもビットコイン価格は年初来で数十%変動することも珍しくなく、金の安定性とは大きな隔たりがあります。

アルトコインの価格安定性は総じてビットコインよりさらに低い傾向にあります。アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)は数千種類以上存在しますが、多くは市場規模が小さく投機的な売買に左右されやすいため、価格が極端に乱高下することもしばしばです。ある日のニュースやSNSの話題で何倍にも急騰したかと思えば、翌週には暴落するといった例も珍しくありません。特に新興のアルトコインほど参加者が限られ価格形成が不安定で、価格安定性は極めて低いと言えます。ただし例外的に、法定通貨に価値を連動させたステーブルコインのように価格を安定させることを目的としたアルトコインも存在します。これらは発行主体が準備金を持つことで価値を裏付け、1ドル=1コインのように価格を一定に保つ設計ですが、そうした特殊なケースを除けば一般のアルトコインは値動きが激しく不安定です。

価値の裏付け

次に、各資産の価値が何によって支えられているか(裏付けられているか)を比較します。金の価値は実物資産であることに裏付けがあります。金属としての金は工業用途(電子部品や医療分野など)や宝飾品需要があり、またその希少性から歴史的に人々が価値を見出してきました。つまり、金はそれ自体が有用で希少な物質であり、「現物資産」としての実需と希少性が価値を下支えしています。金の価格は市場の需給によって決まりますが、その需給には実用的な需要や中央銀行の保有戦略など現実の経済要因が反映されます。

ビットコインの価値には物理的な裏付け資産が存在しません。ビットコインはデジタル上のデータであり、それ自体は工業製品の原料になるわけでも、法定通貨のように政府が価値を保証しているわけでもありません。ビットコインの価値を裏付けているものは、主にネットワーク参加者の信頼と、そのプログラム上で保証された希少性です。ビットコインは発行上限が約2100万BTCと予めコードで定められており、供給量が制限されています。このデジタルな希少性と、中央管理者のいない分散型の信用システムに対する信頼が、人々に「価値がある」と受け止められる根拠になっています。また、世界中の人々が価値の保存や送金手段としてビットコインを欲しがるという需要そのものも、ビットコインの価値を支える要因です。要約すれば、ビットコインの価値の裏付けは**「人々の合意によるデジタルな信用」**と言えるでしょう。極論すれば市場の信頼が失われれば価値も失いますが、逆に言えばそれだけ人々の信念と需要によって成り立つ新しいタイプの資産です。

アルトコインの価値の裏付けもビットコイン同様に、基本的には物理的な担保はありません。多くのアルトコインは独自のプロジェクトや用途を掲げて発行されますが、それらのコイン自体に政府の保証や貴金属のような実体はなく、その価値は市場参加者の需要と信頼によって決まります。ただし、アルトコインは種類が多岐にわたるため、その価値の源泉もプロジェクトごとに異なる点に注意が必要です。例えば、「イーサリアム」のようにブロックチェーン上でスマートコントラクト(自動契約機能)を実行するプラットフォームでは、その利用料として使われるイーサ(ETH)の需要が価値を支えています。また「ガバナンストークン」と呼ばれる種類のアルトコインでは、特定プロジェクトの方針決定に参加できる権利が付与されており、そのプロジェクトの成功期待がトークン価値の裏付けとなります。さらに前述したステーブルコインでは、発行主体がドルなど法定通貨や国債・金などを準備金として保有し、それと引き換え可能とすることでコインの価値を裏付けています。このようにアルトコインは一部に法定通貨や資産による担保型のものも存在します。しかし一般論として言えば、多くのアルトコインは**将来性への期待や独自のユースケース(利用場面)**によって価値が支えられており、その裏付けはビットコイン以上に不確実なものも少なくありません。プロジェクトの開発が頓挫したり利用者の関心が離れれば、価値の根拠を失ってしまうアルトコインもあります。

流動性

流動性とは、資産がどれだけ簡単に現金化できるか、市場で活発に取引されているかを示す概念です。金は非常に高い流動性を持つ資産です。世界各国に金の市場が存在し、金地金や金ETF(上場投資信託)などの形で日々巨額の取引が行われています。中央銀行や大手機関投資家から個人投資家まで参加する厚みのある市場があり、売買注文に対して常に相応のカウンターパーティが存在するため、大口の金を売却する場合でも適正な価格で比較的容易に換金できます。ただし現物の金地金を手元に保有している場合、それを現金化するには専門の業者や市場を通す必要があり、持ち運びや保管といった面のハードルはあります。それでも金は世界共通の資産として認知され取引されているため、流動性は極めて高いと言えるでしょう。

ビットコインもまた高い流動性を備えています。暗号資産市場の中でビットコインは時価総額・取引高ともに最大であり、多数の暗号資産取引所で常に売買が成立しています。主要な暗号資産取引所ではビットコインと各国法定通貨(USDやJPYなど)との交換市場があり、24時間365日世界中でビットコインは取引されています。取引参加者が多く出来高も大きいため、比較的まとまった量のビットコインでも市場価格に近い形で売買しやすい状況です。また、取引所だけでなく店頭取引やビットコインATMなど換金手段が増えてきたことで、現金化の容易さも向上しています。ただし、金と異なり暗号資産取引所を利用する場合は国や地域によっては規制や手続き上の制約がある点には留意が必要です。それでもグローバルにはビットコインは金に次ぐ流動性の高い代替資産と見なされるまでになっています。

アルトコインの流動性は玉石混交で、その資産によって大きく異なります。時価総額が大きく取引量の多い主要アルトコイン(例:イーサリアムや一部の大型プロジェクトのトークン)であれば、ビットコインに次いで流動性が高く、主要取引所で法定通貨やビットコイン建てで活発に売買されています。そうした上位のアルトコインは比較的スプレッド(売買価格差)も小さく、大口取引にも耐えうる市場が形成されています。しかし大半のアルトコインは流動性が限られているのが現状です。中小規模のアルトコインは取引所によっては取り扱いがなく、売買にはまず主要通貨(BTCやETH、USDTなど)に一度交換する必要がある場合もあります。またプロジェクト固有のトークンなどは取引所でも出来高が少なく、市場参加者が少ないために希望する価格で売却できなかったり、少量の注文で価格が大きく動いてしまうケースもあります。極端な例では、草創期のアルトコインではそもそも買い手がつかず事実上換金不能になるリスクすらあります。このように、アルトコイン全体として見れば流動性はビットコインより低く、特にマイナーなコインでは流動性リスクが高いことに注意が必要です。一方でイーサリアムのようにある程度確立されたアルトコインは、近年では先物やオプションなどの派生商品も登場し流動性が増しているものもあります。要するにアルトコインは上位と下位で流動性の差が激しいと言えます。

受容度

受容度とは、社会や市場においてその資産がどれだけ広く受け入れられているか(普及し支持されているか)を示します。金の受容度は極めて高く、人類の歴史上ほぼ普遍的に価値が認められてきた資産です。古代文明から現代に至るまで、金は富と価値の象徴であり、貨幣として、あるいは財産の保存手段として世界中で受け入れられてきました。現代でも一般の人々から政府・中央銀行に至るまで、金に対する信頼と需要は根強く、価値保蔵手段として広範に保有されています。例えば宝飾品として家庭で保有される金から、各国中央銀行が国家備蓄として保有する何百トンもの金まで、金は文化や国境を越えて受容されている典型です。ただし、日常の決済手段としては現在のところ金を直接用いることはほとんどなく、実務的にはまず法定通貨に換金してから使用する形になります。それでも「金に価値がある」という認識自体は社会全体で共有されており、その受容度は他の追随を許しません。

ビットコインの受容度は年々高まっていますが、金と比べるとまだ限定的と言えます。登場当初はごく限られた技術愛好家のコミュニティで使われていたビットコインも、現在では多くの国で一般の投資家が売買する存在になりました。決済手段としてビットコインを受け入れる店舗やオンラインサービスも徐々に増えつつあります(例:一部の電子商取引サイトでの支払い、観光地での決済受け入れなど)。また、企業の中には自社資産の一部をビットコインで保有したり、給料の一部をビットコイン支払い可能にする動きも出ています。しかしその一方で、ビットコインが日常生活で当たり前に使われているとは言い難いのが実情です。法定通貨のように誰もが受け取ってくれるわけではなく、特に高齢者やITに詳しくない層には馴染みが薄いでしょう。また国によって受容度には差があり、経済不安やインフレの激しい国ではビットコインが法定通貨を補完する手段として一定の受容がある一方、安定した先進国では主に投資資産として認識され日常決済にはほとんど使われない、という状況です。総じてビットコインは「デジタルゴールド」として若い世代や一部投資家層には受け入れが拡大していますが、金のような長い信頼の歴史があるわけではなく、受容度は社会全体で見るとまだ中程度といったところでしょう。

アルトコインの受容度はビットコイン以上に限定的です。ビットコインに次ぐ暗号資産としてイーサリアムなど主要アルトコインは一定の知名度とユーザー数を獲得していますが、それでも暗号資産全体に詳しい一部層に主に受容されている段階です。一般社会においてビットコインの名前は知っていても、アルトコインまで知っている人は限られますし、実際に保有・利用している層はさらに限られます。アルトコインの多くは特定の用途やコミュニティ内でのみ通用し、広範な商取引や決済で受け入れられているわけではありません。例えばイーサリアムはNFT(デジタルアートなどの非代替性トークン)や分散型金融(DeFi)といった新興分野では事実上の基軸通貨として受容されていますが、一般の商店でETHが直接使える例はほとんどありません。また草の根的に一定の人気を博したドージコイン(Dogecoin)のような例もありますが、これもインターネット上の話題や投機対象として受容された面が強く、公式に決済手段として広く認められたアルトコインは存在しない状況です。さらに、アルトコインは種類によってユーザーコミュニティの規模が大きく異なるため、一括りに受容度を語るのが難しい面もあります。成功したプロジェクトのトークンはユーザーから支持され長期に保有される一方で、多くのアルトコインは一過性のブームで終わり忘れ去られるか、あるいは詐欺的なコインで最初から信頼されていない場合もあります。このようにアルトコイン全般の社会的受容はまだ低く、現時点では主に暗号資産コミュニティ内での限定的な支持にとどまっています。

ボラティリティ

ボラティリティとは価格変動性の大きさ、つまり値動きの激しさを示す指標です。価格安定性の裏返しとも言えますが、ここでは短期的な変動の大きさに焦点を当てて比較します。金のボラティリティは低く、主要な資産クラスの中でも値動きは穏やかな部類です。一般的に金価格は日々数%も動くことはまれで、株式市場や原油市場などと比べても変動率は小さい傾向があります。過去数十年のデータでも、金の年率換算したボラティリティ(標準偏差)はおおむね10数%程度と推計されており、これはビットコインのボラティリティの何分の一にも相当します。もちろん例外的に、リーマンショック級の金融危機や世界的な政情不安が生じた際には金価格も急騰・急落する場面があります。しかしそれでも、金は長期的価値の安定志向の投資家にとって低リスクな値動きとみなされることが多く、「ボラティリティの低さ」が魅力の一つとなっています。

ビットコインのボラティリティは非常に高いです。ビットコインは歴史が浅く市場参加者の投機的動機も強いため、短期間で価格が劇的に変動することが頻繁に起こります。日によっては10%以上の価格変動が起きることもあり、ニュースひとつで上下に大きく振れるケースも珍しくありません。たとえば2021年から2022年にかけては、ビットコインは1年足らずで最高値から約半値以下に急落し、その後また値上がりするといった乱高下を見せました。標準的なリスク指標で見ても、ビットコインの年間ボラティリティは近年でも50~100%程度の範囲に収まることが多く、金の数倍以上です。ただし、ビットコイン市場の規模拡大や取引手法の成熟とともにボラティリティは徐々に低下する傾向も指摘されています。市場が厚くなるにつれ、一部の大口注文やセンチメントだけで値が振れにくくなる効果は期待できます。それでもなお、少なくとも現時点ではビットコインは極めてボラティリティの高い資産であり、短期的な値動きのリスクは常に念頭に置かねばなりません。

アルトコインのボラティリティはビットコイン以上に高いものが多いです。特に時価総額の小さいアルトコインほど取引が薄く、少数の投資家の売買や風聞によって価格が乱高下しやすい傾向があります。いわゆる「ミームコイン」と呼ばれるような草コインでは、一晩で価値が倍増したりゼロに近づいたりする事例もあります。アルトコイン市場全体としても、ビットコイン価格が上下に動くとそれ以上に過敏に反応して大きく動くケースが多く、ボラティリティの高さでは群を抜いていると言えます。もっとも、アルトコインの中でもイーサリアムのように一定の規模とユーザー基盤を持ったものは、徐々に価格変動がマイルドになってきているものもあります。とはいえ、アルトコイン全般で見れば予測不能な急変動がつきものです。なお、例外的に価格変動を抑える仕組みを持つステーブルコインはボラティリティ自体は極めて低く保たれていますが、これは前述の通り発行主体による管理の結果であり、他の暗号資産とは性質が異なります。総じて言えば、アルトコインは短期的な価格変動リスクが最も高い資産クラスであり、投資家にとっては大きなリターンの可能性と引き換えに非常に高いボラティリティを受け入れる必要があると言えるでしょう。

歴史的信頼性

資産としての歴史の長さと、その間に培われた信頼の度合いも比較の重要な視点です。金の歴史的信頼性は群を抜いて高いです。金は古代から価値の貯蔵手段や取引の媒介物として用いられ、多くの文明が金貨を鋳造し通貨としてきた歴史があります。何千年もの間、金そのものの価値が消滅したことは一度もなく、どの時代でも金は富の保存に適した資産でした。戦乱やハイパーインフレで紙幣価値が暴落したような場合でも、金は相対的にその価値を保ち持ち主の財産を守った例が数多くあります。このような長期にわたる実績から、金に対しては「究極的には信用できる資産」という揺るぎない信頼感が醸成されています。現代の金融システム下でも、金は依然として各国の中央銀行や投資家が「最後の拠り所」として備えておく資産となっており、その歴史的信頼は他の追随を許しません。

ビットコインの歴史的信頼性はまだ構築途上です。2009年に運用が始まったビットコインは、2025年時点でようやく15年余りの歴史しかありません。しかしその短い期間においても、ビットコインは徐々に信頼を獲得してきました。初期にはごく少数の専門家だけが価値を認めていたものが、2010年代後半から2020年代にかけて多くの一般投資家・企業・機関投資家がビットコインに参入し、「デジタルゴールド」として資産配分に組み入れる動きも現れました。また技術面でも、ビットコインのブロックチェーンはこの15年間で一度も根本的な破綻を起こさず稼働し続け、ハッキングなどでネットワーク全体の信用を覆す事故も起きていません(個別取引所の流出事件等はありましたが、ビットコインそのもののプロトコルは堅牢でした)。この実績の蓄積により、徐々にではありますが「ビットコインは簡単には消えないだろう」という信頼感が醸成されつつあります。もっとも、15年という歴史は投資対象としては依然短く、例えば金や不動産のように何世代にもわたって価値が保持されるかは未知数です。市場では「ビットコインはこれまで何度も乗り越えてきた」という肯定的評価と、「まだ一度も大規模な世界金融危機を経験していない」という慎重な見方が混在しています。したがって、現時点の歴史的信頼性は**「着実に向上しているが伝統資産には及ばない」**という位置づけになるでしょう。

アルトコインの歴史的信頼性は概して低いです。そもそもビットコイン以外の暗号資産は、早いものでも2010年代半ば以降に登場したものがほとんどで、歴史の浅さはビットコイン以上です。さらにその中で現在まで高い価値を維持しているものはごく一部で、多くのアルトコインは短命に終わったり価値が大幅に減少した例が数多く存在します。例えば2017年前後のICOブームで乱立したトークンの多くは、数年経たないうちに開発が止まり市場価値も消滅しました。2022年にはアルゴリズム型ステーブルコインの破綻(テラUSTの崩壊)により関連トークンが無価値になるような事件も起き、アルトコインへの信頼を揺るがしました。一方で、イーサリアムのように長期的なコミュニティの支持を得てプラットフォームとして定着しつつあるものもあります。しかしそれでもイーサリアムですら登場から10年程度であり、長期にわたる資産価値保持の実績は未知数です。アルトコイン全般としては「生き残り組」と「消えゆく多数」のコントラストが激しく、投資家から見ればどのアルトコインが将来まで価値を保つかを見極めるのは極めて難しい状況です。総じて、アルトコインの歴史的信頼性はまだ確立されていないと言えます。言い換えれば、その将来性ゆえに大きな利益の可能性もある一方、長期的な信頼を置くにはリスクが高い分野です。

法的明確性

各資産が法制度上どのように位置付けられているか、法的な扱いが明確かどうかを比較します。金に関しては法的明確性は極めて高いです。金は古くから各国で商品・資産として法律の枠組みが整備されてきました。例えば金の売買には課税関係や輸出入規制など明確な法律があり、投資家や企業はそれに則って取引しています。現代では金は貴金属商品として取引所で先物取引も行われるなど、法律的にも確立された地位を持っています。要するに金は合法か否かといった議論は既になく、ほぼすべての国で正当に所有・取引できる資産です(ただし一部の国では個人の金保有に制限があった歴史もありますが、現在では稀です)。

ビットコインの法的明確性は国や地域によって差があるものの、徐々に整備が進んでいます。日本や米国、欧州連合(EU)など多くの国・地域ではビットコインは合法な資産と認められ、交換業者の登録制や課税ルールの整備など法的枠組みが構築されてきました。例えば日本では2017年に資金決済法が改正され、ビットコインをはじめとする暗号資産が「暗号資産(仮想通貨)」という区分で法的に定義されています。ただし、それはビットコインを法定通貨と認めたという意味ではなく、あくまで資産的な価値を持つ電子データとしての位置づけです。多くの国では同様に、ビットコインは**「デジタル財産」「コモディティ(商品)」として扱われ、売買益に課税されたり、マネーロンダリング防止の規制対象となったりしています。一方で、中国やエジプトなど暗号資産を全面禁止・厳格規制する国も一部存在し、グローバルには法的位置づけが完全に統一されてはいません。また米国では証券取引委員会(SEC)が一部の暗号資産を未登録証券と見なして問題視するなど、ビットコイン以外の暗号資産の扱いを巡って議論があります(もっともSEC自身はビットコインに関しては商品との見解を示しています)。このように、ビットコインそのものは主要国においては合法性が担保されつつあるものの、世界共通の法整備があるわけではなく**、国によって温度差があるのが実情です。それでも、以前のような法的グレー状態からは脱しつつあり、近年では法的明確性はかなり向上したと言えるでしょう。

アルトコインの法的明確性はビットコイン以上に不透明な部分が残ります。まず、アルトコインは種類が多く性質も様々なため、一律に法律上どう扱われるか決めにくい事情があります。一般にビットコインにならって「暗号資産」として包括的に認める法制度もありますが、個別には証券(金融商品)に該当するのではないかとの指摘が多くの国であります。特にICO(新規コイン公開)で資金調達を行ったトークンや、明確な発行主体が存在して配当的利益をもたらすようなトークンは、従来の法律では証券とみなされ規制される可能性があります。実際、アメリカでは2020年代に入り、XRP(リップル)など一部アルトコインが証券法違反の疑いで訴訟の対象となりました。このようにアルトコインの中には法的地位が揺れているものもあり、規制当局の判断次第で取引が制限されるリスクが存在します。また各国ごとに見ても、アルトコインへの対応はまちまちです。日本では暗号資産として一括で法規制されていますが、ICOについて個別の基準を設けるなどの対応も検討されています。EUでは2024年にMiCA規則(暗号資産規制)が採択され、ステーブルコインやICOトークンの発行・流通に一定のルールが敷かれる予定です。このように段階的に明確化が進む一方で、なお多くのアルトコインは法的なグレーゾーンにあります。特にDeFi関連トークンや分散型組織(DAO)のガバナンストークンなど、既存の法律概念に当てはめにくいものも多く、完全な法的明確性が得られるまでには時間がかかりそうです。まとめると、アルトコインの法的位置づけは不明瞭な点が多く、将来的な規制変更のリスクを内包していると言えます。

地政学的中立性

地政学的中立性とは、特定の国家や政治体制から独立して価値を保てるか、国際政治の影響を受けにくいかといった観点です。金は地政学的中立性が高い資産とされています。どの国の通貨でもなく、世界中どこでも価値が通用するため、国家間の対立や政変が起きても金そのものの価値は基本的に損なわれません。例えば、自国通貨が急落するような危機の際に、人々や政府は金を買って価値を避難させようとしますが、これは金が国や政治を超えた価値の基準と見なされているからです。冷戦時代から現代に至るまで、アメリカ・ロシア・中国・欧州など立場の異なる国々すべてが金を国家資産として保有し続けている事実は、金が地政学的に中立な価値の貯蔵手段であることを物語っています。ただし、金も物理資産であるがゆえに戦争や制裁の影響を完全に免れるわけではありません。戦時に敵国の金を接収するといった事例や、現代でも経済制裁の一環で特定国の金の取引を制限する措置(例:ロシア産金の輸入禁止)などはあります。しかしそれでも、金そのものはどの政府にも発行権のない普遍的な資産であり、最終的には地政学リスクに対するヘッジ(避難先)として機能しやすいと評価されています。

ビットコインもまた、高い地政学的中立性を持つよう設計された通貨です。ビットコインは分散型ネットワーク上で運用され、特定の国家や中央機関によって発行・管理されていません。そのため、基本的にどの国の政治的思惑にも左右されず価値が決まります。例えば一国の金融政策(紙幣増刷など)がビットコインの供給を増やすことはできず、特定の政府がビットコインの取引を制限しても別の国では自由に取引できる、といった具合にグローバルな中立性があります。実際、政治や経済が不安定な国では、自国通貨より信頼できるものとしてビットコインを利用する動きも見られます(高インフレ国で住民がビットコインに資産を移すケースなど)。また国際送金においても、ビットコインは銀行網を介さず直接送れるため、国境や制裁を越えて価値移転できる手段として注目されることがあります。一例として、国際的な制裁下にある地域でビットコインや暗号資産が物資調達の決済手段に使われたケースも報じられています。ただし、ビットコインの場合インターネットインフラへの依存があるため、極端な話その国全体でインターネットが遮断されると利用が困難になるという技術的制約はあります(衛星経由での送信技術も開発されていますが一般的ではありません)。また各国政府が暗号資産交換業者を規制することで、法定通貨への交換を封じるといった間接的な統制は可能です。それでもなおビットコイン自体は**「国家の信用」を必要としない通貨**であり、ある国の経済が破綻しても他国での需要があれば価値を保てる点で、地政学的に中立な資産と評価できます。

アルトコインの地政学的中立性は、その種類や体制によって様々ですが、総じてビットコインほど明確ではありません。多くのアルトコインはビットコインをモデルにしているため基本的には非中央集権的な仕組みを採用していますが、実際には開発元の企業や団体があったり、初期保有分が特定のメンバーに偏っていたりと、何らかの中央集権的要素を持つものもあります。そうしたアルトコインでは、発行主体の所在国の法規制や政治的影響を受けるリスクがあります。例えば、あるアルトコインの開発会社が米国にあり米国当局から停止命令を受ければプロジェクトが頓挫する可能性がありますし、あるいは主要開発者が逮捕されてネットワーク維持が困難になるケースも考えられます(実際、規制違反で開発者が拘束されたプロジェクトも存在します)。一方、イーサリアムのように開発コミュニティが分散しており一企業に依存しないものは、ビットコイン同様に地政学的に中立な性格を持ちます。しかしそれでも、ステーブルコインのように価値が米ドルなど特定通貨に連動しているものは、その裏付け資産が置かれた国(多くは米国)の金融政策や規制の影響を免れません。実際、米ドル連動型のステーブルコイン発行体は米国当局の監視下にあり、特定アドレスの資産凍結なども技術的に可能な状態です。これらを踏まえると、アルトコインの地政学的中立性はプロジェクト次第でピンキリと言えます。概して、ビットコインほど純粋に政治から独立した存在と断言できるアルトコインは少なく、中立性という点ではビットコインが突出して高く、次いで主要分散型アルトコイン、反面ステーブルコインなどは低め、といった位置づけになるでしょう。

技術的リスク

最後に技術的リスク、すなわちシステム上・技術上の欠陥や不具合によって価値が損なわれるリスクの比較です。金は技術的リスクがほぼ皆無の資産です。元素としての金は腐食せず不変であり、保管中に価値を棄損するような技術的トラブルは起こりえません。強いて言えば金塊の純度を見誤るリスクや、偽物(金メッキした他金属など)を掴まされるリスクがありますが、これは取引上の注意点であって金という資産自体の技術的欠陥ではありません。また、将来的に小惑星から莫大な金が採掘され供給過多になる、などSF的なシナリオでもない限り、金そのものが技術的理由で価値を失うリスクは極めて低いと言えます。

ビットコインには、ソフトウェアである以上いくらかの技術的リスクが存在しますが、そのリスクは年月と共に低減しつつあります。ビットコインはオープンソースのプログラムで動いており、全世界の開発者によってコードが監視・改良されています。しかし過去には深刻なバグが見つかったこともあり、2010年には実験段階で意図せず大量のビットコインが発行されるバグが発覚し修正されるという出来事もありました。その後はセキュリティ監査体制も強化され、現在ではビットコインの核心部分に重大な欠陥が潜んでいる可能性は低いと考えられています。ただゼロではなく、未知の脆弱性が将来発見されない保証はありません。また、ビットコインは暗号技術に依存しているため、将来的に量子コンピュータなど新技術で現在の暗号が破られるリスクも指摘されています。これについては量子耐性を持つ新たな暗号方式への切り替えが議論されていますが、実現には課題があります。さらに、ビットコインはマイニング(採掘)という仕組みでネットワークを維持していますが、もし悪意ある勢力がネットワーク全体の過半の計算能力を掌握する「51%攻撃」を仕掛ければ、取引改ざんが理論上可能です。ただ現状のビットコインではネットワークが非常に大規模であり、51%攻撃を成功させるコストは天文学的数字になるため現実的ではありません。総じてビットコインの技術的リスクは、「起こりうるが可能性は低いリスク」として認識されています。また技術面以外では、利用者側の操作ミス(秘密鍵紛失など)でビットコインを失うリスクもありますが、これは資産の性質というよりユーザー側の管理リスクです。

アルトコインの技術的リスクは、ビットコインに比べると高い場合が多いです。まず、アルトコインの多くは新しい機能や実験的な仕組みを導入しているため、未知のバグやセキュリティホールが潜んでいる可能性があります。実際、過去にアルトコインやその関連プロジェクトで大規模なハッキングや技術的破綻が起こった例があります。有名なものでは、2016年にイーサリアムのスマートコントラクト「The DAO」で脆弱性を突かれ巨額のイーサが盗まれた事件があり、これを受けてイーサリアムはハードフォーク(仕様分岐)による救済策をとりました。他にも、新興のブロックチェーンでネットワークが数時間停止するといったトラブルや、アルトコインのウォレットソフトに致命的バグが見つかるケースなど、技術的事故の頻度はビットコインより高めです。これは裏を返せば、アルトコインの多くが技術革新の途上にあり、十分な検証を経ていないコードが本番環境で動いていることを意味します。また、アルトコインはネットワーク規模が小さいと51%攻撃などの脅威に晒されやすいです。実際、ビットコインに比べ計算資源の少ない中小のPoWアルトコインが不正採掘によりブロックチェーンを書き換えられる事件も起きています。さらに、コンセンサスアルゴリズム(取引承認の仕組み)が独自のものは、新手法ゆえの盲点が後から見つかる可能性もあります。それから、アルトコイン特有のリスクとして開発コミュニティの崩壊があります。ビットコインは分散的に維持されていますが、多くのアルトコインは少人数の開発者グループに依存しており、そのグループが解散したり資金が尽きたりするとアップデートやサポートが止まり、結果としてネットワークが脆弱化する恐れがあります。総合すると、アルトコインは技術面での不確実性・リスクがビットコイン以上に高いと評価できます。ただし、この中にも差があり、イーサリアムのように開発リソースが豊富で実績を積んだものは比較的安定性が増してきています。一方、立ち上げ直後のプロジェクトや一部中央集権的コインでは、システム停止やハッキング、運営側の不祥事など様々な技術的リスクに注意が必要です。

外貨準備資産・法定通貨との関係

最後に、各資産が国家の外貨準備や法定通貨制度とどのような関係にあるかを見てみます。金は伝統的に外貨準備資産の中核をなす存在です。各国の中央銀行は外貨建て資産(ドルやユーロ建ての国債など)と並んで金を準備資産として大量に保有しています。世界全体では、公的機関が地上の金の約17%を保有し、外貨準備のうち金が占める割合は平均して1割前後とも言われます。歴史的にも、かつて各国通貨は金と交換可能(金本位制)とすることで信用を担保していました。1970年代に金本位制は終わりましたが、それでも金は「最終的な価値の裏付け」として各国が手放さない資産となっています。法定通貨との関係で言えば、現在金そのものが法定通貨(強制通用力を持つ通貨)となっている国はありません。しかし例えばオーストリアのウィーン金貨やアメリカのイーグル金貨のように、金貨に額面が刻まれ法定通貨とされているものも存在します(ただし額面価格より金としての地金価値の方が高いため流通貨幣にはなっていません)。総じて、金は各国の通貨制度を陰で支える裏打ち資産であり、地政学的にも中立な価値保蔵手段として外貨準備に組み込まれるなど、公的な信用と結びついた関係性を持っています。

ビットコインは現時点では外貨準備資産としての採用例はほとんどなく、法定通貨との関係も試行的な段階です。先述の通り、世界の中央銀行で公式にビットコインを外貨準備に加えたところはありません(2025年現在)。もっとも、一部の国では将来的にビットコインを準備資産に組み入れる可能性が議論されたり、政府や政府系ファンドが少量のビットコインを保有しているとの報道がなされたこともあります。しかし金や主要通貨に比べると、ボラティリティの高さや法的課題から、中央銀行としては扱いにくいのが実情でしょう。法定通貨との関係では、暗号資産先進国の一つである日本などでもビットコインは法定通貨とは認められておらず、あくまで決済手段たり得る民間の資産という位置づけです。ただし例外的に、中南米のエルサルバドルが2021年に世界で初めてビットコインを法定通貨に採用するという大胆な試みを行いました(米ドルとビットコインの二本立ての法定通貨制)。この試みは国際通貨基金(IMF)などから懸念も表明されつつ注目されました。その後、エルサルバドルではビットコインの流通は限定的であるものの、国家がビットコインを保有したり観光振興に利用する動きが見られています。ただ2025年にはIMFとの協議の中で法定通貨としての扱いを後退させる法改正も報じられており、国家単位でのビットコイン採用は依然実験段階と言えます。もう一国、中央アフリカ共和国も2022年に法定通貨化を宣言しましたが、実施細部が不透明で継続性にも疑問が残ります。これらは非常に特異なケースであり、大多数の国ではビットコインは公式な通貨とはみなされていません。したがってビットコインと法定通貨の関係は限定的で、今後各国がどのように位置づけるかは引き続き注視が必要です。しかし民間レベルでは、ビットコインが既存の法定通貨体制に対するオルタナティブ(代替)や補完として機能し得るとの見方も強まっており、一部では「中央銀行の信用に依存しないデジタル準備資産」として期待する声もあります。

アルトコインは外貨準備・法定通貨との公式な関係はほぼ皆無です。現在まで、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)を法定通貨に定めた国はありません。また中央銀行がビットコイン以外の暗号資産を外貨準備に組み入れた例も確認されていません。アルトコインの中には価値が法定通貨と連動するステーブルコインもありますが、これらはあくまで民間が発行するデジタル代替通貨であり、政府や中央銀行が直接発行・保証しているものではありません(各国が検討している中央銀行デジタル通貨=CBDCは厳密には暗号資産とは異なるカテゴリーです)。一部の国家では暗号資産やブロックチェーン技術を取り込んだ国家プロジェクトの一環で独自コインを発行する動きもありますが、それらは法定通貨ではなく国内限定のトークン的な位置づけに留まります。要するに、アルトコインは現状では公的な通貨システムとの結びつきが極めて薄いです。むしろ、多くの国でアルトコインは証券規制やマネロン規制の文脈で語られる対象であり、法定通貨として認めようという動きはありません。もっとも、アルトコインの技術や概念自体は各国の金融当局も注目しており、将来的にデジタル通貨インフラに応用される可能性はあります。しかしそれは既存アルトコインが公式採用されるというより、CBDCなど公的プロジェクトに知見が活かされる形でしょう。現時点では、アルトコインと法定通貨・外貨準備との関係性はほとんどなく、今後も当面は公的領域では傍流の存在に留まると見られます。

以上、様々な観点からビットコイン・アルトコイン・金の特徴と相違点を論じました。それぞれに長所短所があり、価値の安定性や信頼性では金が優れる一方、技術革新や将来の成長ポテンシャルでは暗号資産が期待されるなど、目的によって適した資産は異なります。最後に、本稿で取り上げた比較軸について三者の特徴を一覧表にまとめます。各資産の性質を一目で把握する早見表としてご参照ください。

各資産の比較早見表

比較項目ビットコインアルトコイン金(ゴールド)
価格安定性低い(価格が大きく変動しやすい)非常に低い(銘柄によって極端な乱高下)高い(価値の変動が比較的小さい)
価値の裏付け裏付け資産なし(信頼と希少性が価値の源泉)基本なし(需要・プロジェクトの将来性に依存;一部は資産担保型)現物資産(工業・宝飾での実需と希少性)
流動性高い(主要取引所で活発に売買・換金容易)不均一(上位は高流動性だが小規模通貨は低い)非常に高い(世界中で売買され市場規模も大)
受容度拡大中(投資・決済手段として徐々に受け入れられつつある)限定的(主に暗号資産コミュニティ内で利用・一般には未浸透)極めて高い(歴史的に世界で広く価値が認められる)
ボラティリティ高い(値動きが大きくリスクも高い)極めて高い(急騰・急落が頻繁に起こり得る)低い(比較的安定した値動き)
歴史的信頼性中程度(約15年の実績、徐々に信頼獲得)低い(歴史が浅く消滅した例も多い)非常に高い(数千年の歴史に裏打ちされた信頼)
法的明確性概ね明確(資産として各国で法整備進むが国により差)不明瞭(規制や分類が未整備で国ごとに扱いが異なる)明確(各国で合法的資産として法制度確立)
地政学的中立性高い(国家に依存せず国際的に利用可能)個別次第(分散型のものもあるが発行主体に依存する例も)高い(どの国家にも属さず普遍的価値を持つ)
技術的リスク存在(ソフトウェア起因のバグ・量子技術等の懸念あり)高い(未成熟な技術でバグ・攻撃・停止のリスク)極めて低い(物理資産ゆえ技術的故障の心配なし)
法定通貨・外貨準備との関係極少数国で法定通貨化の例、中央銀行保有はほぼ無し法定通貨採用例なし、中央銀行の準備資産にもならず外貨準備の主要資産(各国中央銀行が多く保有)

以上の比較から、は長い歴史に裏打ちされた信頼性と安定性で際立ち、ビットコインはデジタル時代の新興資産として成長性や革新性で注目され、アルトコインは玉石混交ながら新たなユースケースを開拓する実験的側面があることが分かります。目的(価値保全か投機的リターン追求か、新技術活用か等)に応じて、適切な資産を選択することが重要でしょう。それぞれの特徴を正しく理解し、法制度やリスクにも留意した上で活用することが望まれます。

要約

アルトコイン、ビットコイン、ゴールド(金)の比較を要約すると以下のとおりである。

比較要約

比較項目ビットコインアルトコインゴールド
価格安定性低い極めて低い高い
価値の裏付け希少性・信用希少性・用途(一部は資産担保型)実物資産(実需と希少性)
流動性高い不均一(上位のみ高い)非常に高い
社会的受容度中程度(徐々に拡大中)限定的極めて高い
ボラティリティ高い非常に高い低い
歴史的信頼性中程度(約15年)低い非常に高い
法的明確性徐々に整備中不明瞭明確
地政学的中立性高い個別次第(発行主体による)高い
技術的リスク中程度(理論的に存在)高い(未成熟な技術)極めて低い
外貨準備・法定通貨との関係限定的(法定通貨化の例は少数)関係なし中央銀行が外貨準備として広く保有

総括

  • は歴史的信頼性と価格安定性が極めて高く、中央銀行が外貨準備資産として広く採用。
  • ビットコインは革新的で地政学的に中立だが、ボラティリティが高く、法的地位や信頼性の構築途上。
  • アルトコインは技術的革新性はあるが不安定で、法的・社会的な受容度も低いため、国家の準備資産としては不適格。

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