2025-12

投資

なぜペーパーETFは現物価格に置き去りにされるのか

1. そもそもペーパーETFの価格は何に支えられているか貴金属ETFの価格は、理論上は次の三点で成り立っています。現物在庫の存在ETFは「現物を保有している」という前提で発行される裁定取引(アービトラージ)ETF価格と現物価格が乖離すれば、...
投資

金高騰は信認の崩壊か、安全資産の復権か

序論2025年には金価格が過去に例を見ないほど上昇し、10月にはロンドン市場の午後価格で1オンスあたり4,170ドルを超える局面もありました。この急騰は単に投機熱だけでなく、世界的な地政学リスクの高まり、米国の財政・金融政策への不信感、主要...
投資

証拠金では止められない価格:根源的需要が支配する貴金属市場

テーゼ(命題)―証拠金政策による価格抑制の期待先物市場では、取引所が初期証拠金や維持証拠金を引き上げることでレバレッジを抑え、投機的な建玉を減らし価格の過熱を鎮めることができます。大口投資家やヘッジファンドは高い証拠金コストに耐えきれず建玉...
投資

証拠金では止まらない金属価格:ペーパー市場の限界と現物回帰

問題提起 – 貴金属の証拠金引き上げと価格抑制貴金属の先物取引は、証拠金(マージン)の設定によってレバレッジ取引を可能にしています。市場の混乱を抑制する目的で取引所が証拠金を引き上げると、投機的なポジションが減少し、価格上昇が落ち着くとの見...
投資

機関投資家はなぜ金を持たなかったのか:非生産資産から価値保存資産への転換

保有が低いとされる理由 – 金は債券や株式のように利息や配当を生まないため、複利効果を求める投資家にとって非生産的な資産とみなされます。企業収益のような評価基準がないため価値評価が難しく、保守的な機関投資家は国債中心のポートフォリオを構成し...
政治経済

富とお金の乖離が生む現代バブル

レイ・ダリオ氏の問題提起(正の極)レイ・ダリオ氏は、現代世界が長期債務サイクルの終局に近づきつつあり、1970年代・1930年代の状況と類似していると警告している。氏の主張は次のように整理できる:過剰債務と通貨の減価:政府債務と民間債務が膨...
投資

証拠金という「物理法則」:金・銀暴落は構造調整か、転換点か

金・銀価格は2025年12月に記録的な高値を付けたのち、突如として急落に転じました。背景にはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の証拠金引き上げがあり、短期的な需給調整と投機心理の変化が投資家に波紋を呼びました。本稿では、単なる値動きの実...
政治経済

ポストWTO時代の国際貿易秩序

テーゼ – WTOの役割と貢献多国間自由貿易体制の柱:WTOは164か国が加盟する唯一の多国間貿易機関であり、関税や補助金、数量規制の削減など「開放性と無差別」の原則の下で貿易ルールの交渉・実施監視・紛争解決を担ってきた。最恵国待遇(MFN...
政治経済

関税戦争の反省から生まれた秩序 ― GATT・IMF・ドル基軸

序論 – 大戦と経済ブロックの反省1930年代の世界経済はアメリカの高関税政策(1930年のスムート・ホーリー関税法)を契機に各国が競合的な関税引き上げと輸入割当を行い、世界貿易が急減した。同法は輸入関税を約20%引き上げ、経済学者が反対を...
歴史

フランス覇権から勢力均衡へ:ドイツ連邦成立

序論19世紀初頭のヨーロッパは、フランス革命とナポレオン戦争によって激しく揺さぶられた。特にナポレオン・ボナパルト率いるフランスは、1799年のクーデター以降、ヨーロッパ大陸の広範囲に軍事・政治的支配を拡大し、ドイツ諸邦を含む旧体制を根底か...