日本の道路交通法では、ブレーキペダルを踏む足を「右足に限る」と定めた条文は存在しません。安全運転義務を規定した道路交通法第70条では、運転者に対し「当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路・交通・当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」としており、ブレーキ操作を確実に行うことを求めているだけです。また、急ブレーキを禁止する第24条も「危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずるような急ブレーキをかけてはならない」と規定しているに過ぎず、どちらの足で踏むかについての規定はありません。
自動車メーカーや教習所では、ペダル配置や操作姿勢の観点から「アクセル・ブレーキとも右足で操作する」よう教えていますが、法令上は左足ブレーキを禁止していません。自動車メディアでも、道路交通法にはブレーキ操作の足を特定する条文がなく、左足ブレーキは違反ではないと明言されています。クルマ志考などの専門サイトは、道路交通法第70条を引用したうえで「左足ブレーキでも右足ブレーキでも安全に操作できれば違法ではない」と説明しています。ダイヤモンド・オンラインでも「現行の法規制では『左足ブレーキ』は違法ではありません」と述べています。
ただし、左足でブレーキを踏んでいる最中にアクセルペダルも同時に踏み込んだり、姿勢が崩れてブレーキ操作が不確実になったりすると、道路交通法第70条に違反した「安全運転義務違反」とみなされる可能性があります。自動車メーカーの取扱説明書でも、緊急時の反応が遅れるなどの危険を理由に左足ブレーキを推奨しない記載が多いと指摘されています。安全な操作に自信がない場合は、教習所の指導やメーカーの取扱説明書に従い、基本に沿った右足ブレーキを心がけるのが無難です。
結論
- 道路交通法にはブレーキを踏む足を特定する規定はなく、左足でブレーキペダルを踏んでも違反にはならない。
- 運転者にはハンドルやブレーキを確実に操作し、安全な速度・方法で運転する義務があるため、左足ブレーキで安全に操作できない場合は安全運転義務違反となる可能性がある。
- 教習所やメーカーは右足操作を推奨しており、左足ブレーキは充分な慣れと安全確認が必要である。

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