テーゼ(命題)
「米国株はバブルであり、崩壊が近い」という見方
- 米国株は過度に高い評価を受けており、多くの投資家や評論家がバブルであると感じている。
- ポール・チューダー・ジョーンズ氏は、現在の米国株をドットコム・バブル崩壊の前年である1999年に例えて、「材料は既に整っている」と述べた。彼が「1999年」と指摘したことは、まだ崩壊前であり、今後も更に上昇する余地があることを示唆している。
- このように「バブルは崩壊間近だ」という意見は広く共有されているが、その前提には、株価が現在の水準を正当化できないという判断がある。
アンチテーゼ(反命題)
「バブル崩壊のタイミングを当てるのは極めて難しく、予想より長く続く」
- ガンドラック氏は、バブルを見抜くことは比較的容易だが、崩壊時期を当てることは非常に難しいと指摘している。
- 2004年には住宅ローンの証券化に否定的な見方を持っていたが、そのバブルが崩壊を始めたのは約3年後である。リーマンショックは2008年に起き、予想よりかなり遅いタイミングだった。
- 1999年9月30日にNasdaqに対して最大限に弱気になったものの、その後3か月でNasdaqは80%も上昇した。結果的には18か月後に大幅下落して利益が出たが、早すぎるポジションを取ったことで一時的に大きな含み損を抱えた。
- バブルの最後の数か月では急激な上昇が起こりやすく、タイミングを誤ると短期的には大損する可能性が高い。
ジンテーゼ(統合)
「バブルの存在を認めつつ、正しくても早すぎる行動を避けることが重要」
- バブルが存在すると考えられる状況でも、最終的に正しい未来予測を持っていた人が短期的には敗者となることがある。重要なのは「正しい予想」だけでなく、「正しいタイミング」で行動すること。
- AI関連株を含む現在の米国株は、ドットコムバブルと同様に過熱しているが、すぐに崩壊するとは限らない。AI技術は実際に普及するだろうが、2000年当時のAmazon.comのように、将来性のある企業でも一時的に株価が暴落する可能性がある。
- 従って、バブルを意識しつつも、投資行動では時間軸を十分に考慮しなければならない。過度に早い売りや空売りは危険であり、価格がピークを過ぎるまで忍耐強く待つことが求められる。
要約
- 米国株がバブル状態にあるとの意見は多いが、ポール・チューダー・ジョーンズ氏が1999年に例えたように、崩壊前にまだ大きく上昇する余地があると見られている。
- バブルの存在を見抜くことは容易でも、崩壊時期を当てるのは難しい。 ガンドラック氏の経験では、2004年に疑っていた住宅ローンバブルが崩壊するまで約3年かかり、1999年に売りに回ったNasdaqは一時80%上昇した。
- 最後の数か月で急騰することが多いため、正しくてもタイミングを誤ると大きな損失を被る。
- 現状のAI関連株もドットコムバブルに近い状況にあり、将来的に技術が普及しても一時的な暴落は起こり得る。
- 結論としては、バブルを認識しつつも過度に早い行動は避けるべきであり、タイミングを見極める冷静さが重要である。

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