2018年中間選挙から2020年敗北へ:トランプ政権レームダック化の必然

テーゼ:2018年中間選挙の敗北による政権の弱体化

  • 2018年11月の中間選挙では共和党が下院の多数を失い、民主党は23議席以上を奪取して下院を奪回した。一方で共和党は上院で若干の議席を増やし、上下両院のねじれが生まれた。
  • この結果、多くのトランプ支持の下院議員が落選し、下院は「トランプの言動への反発」の象徴としての役割を担った。出口調査では有権者の約半数が大統領の職務を強く不支持と答え、女性や少数派候補の支持が高まったことがトランプのレトリックへの明確な拒否と見なされた。
  • 学術的な分析でも、民主党が下院多数を得たことによりトランプ政権の立法課題(医療、移民、貿易、減税など)を進めることが難しくなったと指摘されている。農業政策を扱うシンクタンクは、民主党の下院多数が行政への「チェック」となり、法改正や条約批准を困難にしたと述べ、これを歴史的に珍しくない現象と評している。
  • 学生新聞の取材では、2018年の選挙後に民主・共和両党がそれぞれ左派・右派に傾き、議会の生産性が低下する「グリッドロック」が発生したため、トランプの政策遂行力に疑問が投げかけられた。

アンチテーゼ:敗北は限定的で再選の可能性も残されたとの反論

  • 2018年中間選挙は「トランプへのノー」という見方が広がった一方で、失った下院議席数は過去の大敗(1994年の54議席、2010年の63議席)に比べ小さく、共和党は上院で議席を増やした。東京財団は、この選挙が両陣営の投票意欲を高める「混合した結果」であり、民主党は上院を奪えなかったためトランプ政権が完全に追い込まれたわけではないと指摘する。
  • 同財団は、トランプが2016年の選挙で掴んだ「白人労働者層や地方部の支持」を2018年でも動員できたとして、1970年中間選挙になぞらえて「敗北ではなく再選への布石」と見る論評も紹介している。
  • PBSの分析でも、州全体の共和党候補がトランプの政策を掲げて当選した例(ミズーリ州のジョシュ・ホーリーやフロリダ州のロン・デサンティスなど)が挙げられ、2018年の結果は「トランプは2020年でも強敵になる」ことを示唆している。
  • 議会関連の記事によると、選挙後のレームダック会期で共和党は政府予算と壁建設費用などを扱い、12月までに歳出法案をまとめる必要があった。これは大統領に一定の主導権が残っていたことを意味し、上院多数を背景に司法人事や外交・安全保障分野では依然として影響力を維持した。

ジンテーゼ:分裂した政府と危機対応が招いた敗北

中間選挙後、トランプ政権は下院の多数派を失ったことで立法面での進展が難しくなり、監視や調査にさらされた。農業政策論文は、下院の民主党多数が大統領の政策を抑制し、法案の採決が難しくなると論じている。学生新聞も、民主・共和両党の極端化により議会が停滞したと評している。一方で、共和党は上院多数を保持し、裁判官任命や外交政策で成果を上げ、トランプは熱心な支持層を動員し続けた。そのため、2018年中間選挙は政権を弱体化させたものの、彼の政治生命を即座に終わらせるものではなかった。

しかし、2020年の大統領選では複合的要因が敗北をもたらした。政治情報誌は、トランプが党内支持の結集には長けていたが独立層や教育水準の高い有権者への訴求力に欠け、基盤拡大を怠ったことが致命傷になったと指摘する。同誌はまた、トランプが新型コロナウイルスの感染拡大に対して一貫した対策を示さず、公衆衛生危機と景気後退に適切に対応できなかったことが再選を阻んだとしている。さらに、2017年から続く低い支持率や数々のスキャンダルが有権者の「大統領らしさ」への評価を下げたため、選挙は現職への信任投票となり、最終的にバイデン候補に軍配が上がった。

要約

2018年の中間選挙でトランプ政権は下院を失い、これが立法の停滞や監視強化を招き、政権の推進力を削いだ。農業政策の分析では、下院の民主党多数が法改正を困難にし、学生新聞も政権の生産性低下を伝えている。しかし、上院多数の維持と熱心な支持層への訴求により、トランプが「レームダック」とはならないとの反論もあった。最終的に、分断した政府のもとで続くグリッドロックと新型コロナ危機への対応失敗、経済失速、基盤拡大の欠如が重なり、2020年の大統領選でトランプは敗北した。

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