法人税法では損益計算の際に「収益に対応する費用のみを損金として認める」という基本原則があり、商品の販売や工事収入に対応する原価(仕入や製造原価など)を当期収益から控除する扱いが示されています。この法令には「売上高」の明文定義はないものの、企業会計原則に基づき売上高は商品や製品の販売、サービス提供などによって実現した収益を指します。長期工事などの例外を除き、実現主義に従って計上されます。売上原価は売上高に対応する商品・製品の取得原価であり、商業者では「期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高」により計算し、製造業者では「期首完成品棚卸高+当期製造原価-期末完成品棚卸高」により求めます。売上総利益はこの売上高から売上原価を差し引いたものです。
有価証券の売買を主たる事業とする資産管理会社においては、売買目的で反復継続的に売却する有価証券(短期売買目的有価証券)については、売却収入を売上高として、売却に対応する取得原価を売上原価として処理します。こうした売買目的有価証券は期末に時価評価され、評価差額も営業損益に含まれます。一方、保有目的が長期投資に分類される株式や債券は売買目的有価証券とは区別され、貸借対照表では固定資産の「投資有価証券」として取得原価で計上します。期末に時価が著しく下落して回復の見込みがない場合のみ評価損を認識します。
中小企業の会計に関する基本要領でもこの区分は同様で、売買目的有価証券と一年以内に満期が到来する債券は流動資産に分類し、それ以外の株式・社債は投資有価証券として固定資産に計上します。損益計算書では投資有価証券の売却益は「特別利益」、売却損は「特別損失」に含め、営業利益や経常利益とは区別して表示します。したがって、資産管理会社であっても長期保有目的の有価証券を売却した場合、その収益や費用は売上高や売上原価には含めず、特別利益・特別損失として処理します。これにより、短期売買による営業収益と長期投資による資本取引の損益が明確に区別され、利用者に会社の収益構造をわかりやすく示すことができます。
まとめ
- 売上高は商品・製品の販売やサービス提供によって実現した収益をいい、売上原価はその収益に対応する商品や製品の取得原価で算定する。
- 有価証券の売買を主業とする会社でも、短期売買目的の有価証券は売上高・売上原価に含めるが、長期保有目的の投資有価証券は固定資産とみなし、売却損益は特別利益・特別損失として処理する。
- 中小会計要領では、有価証券は原則として取得原価で計上し、売買目的有価証券のみ時価評価する。貸借対照表上は売買目的と短期満期債券を流動資産、そのほかを投資有価証券として区分する。

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