BRICSの野望

政治経済

BRICS諸国の最近の会議、特に2023年8月に南アフリカのヨハネスブルグで開催された第15回BRICSサミットでは、以下の主要な内容が議論されました。

1. 拡大と新規メンバーの受け入れ

BRICSはエジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アルゼンチン、アラブ首長国連邦の6カ国を新規メンバーとして受け入れることを決定しました。これにより、BRICSの経済的および政治的影響力がさらに拡大し、多極的な世界秩序の形成を目指しています​ ​。

2. ローカル通貨の使用促進

BRICS諸国は、貿易と金融取引における米ドル依存を減らし、ローカル通貨の使用を促進する計画を進めています。これにより、グローバルな金融システムにおける米ドルの支配を緩和し、より公正な国際経済秩序を構築することを目指しています​ ​。

3. エネルギーおよび食料安全保障

エネルギー協力の強化と食料安全保障の確保も主要な議題でした。特に、南アフリカは中国とエネルギー協定を結び、電力不足の解消を目指しています。また、食料価格の高騰に対処するための協力も議論されました​ 。

4. グローバルガバナンスの改革

BRICS諸国は、国連や国際通貨基金(IMF)、世界銀行などのグローバルガバナンス構造の改革を強く求めています。これらの機関が第二次世界大戦後に設立されたものであり、現代の多様な国際情勢を反映していないと批判しています​ 。

5. 宇宙協力

インドのモディ首相は、BRICS諸国が宇宙探査と気象観測で協力するためのコンソーシアムの設立を提案しました。これは、インドの月探査ミッションに関連して行われたもので、BRICS諸国間の科学技術協力の強化を目指しています​ 。

このように、BRICS諸国の最近の会議では、経済的および政治的影響力の強化、ローカル通貨の使用促進、エネルギーおよび食料安全保障、グローバルガバナンスの改革、そして宇宙協力といった広範な議題が議論されました。これにより、BRICSは多極的な世界秩序の形成に向けて着実に進んでいます。

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