e-Taxダイレクト納付における複数口座登録

e‑Taxのダイレクト納付は、申告データを送信したあとに預貯金口座から税額を引き落とす電子納税手続です。2018年1月4日からは納付時に利用する口座を選択できるようになり、税目ごとに異なる口座を使い分けられるようになりました。以下では、この制度における「複数口座登録の可否」を弁証法的視点から検討します。

テーゼ(肯定的な主張)

  • 複数の口座登録は可能で便利
    国税庁の解説によると、預貯金口座ごとに「ダイレクト納付利用届出書」を提出すれば、利用する口座を選択できるようになります。従来の口座は継続利用できるため、追加の口座を登録する場合は新たな届出書を提出するだけです。
    さらに、「ダイレクト納付」には登録できる口座数の制限は設けられておらず、複数口座を登録できるので税目ごとに口座を使い分けることができます。
  • 自動ダイレクトでも柔軟に選択できる
    新たに導入された自動ダイレクトでは、複数のダイレクト納付口座を登録している場合でも口座を選択できます。基本口座や税目ごとの引落口座を設定しておけば、毎回選択する必要がなく、自動的に指定口座から引き落とせます。
  • 納税管理上のメリット
    複数口座を登録しておくことで、法人税や源泉所得税といった税目ごとに資金管理を分けたり、取引先金融機関の決済日や入金予定に合わせて支払口座を切り替えたりすることが可能になり、資金繰りの管理がしやすくなります。

アンチテーゼ(否定的な観点)

  • 金融機関側の制約や手続きの手間
    国税庁のよくある質問では、同一金融機関に複数口座を開設してダイレクト納付に利用できるかは各金融機関の対応に左右されると示しており、複数口座利用に制限を設けている銀行もあります。
    また、新たに口座を登録するたびに届出書の提出が必要で、登録完了までは税務署と金融機関側の処理を待たなければなりません。
  • 支払金額の分割には対応していない
    電子申告後の受信通知から納付する場合、納付税額を複数口座に分割して引き落とすことはできません。例えば、10万円を二つの口座から7万円と3万円に分けて納めたい場合は、7万円と3万円の納付情報登録依頼を別々に行う必要があります。
  • 口座が表示されない場合もある
    登録が完了していない口座や、金融機関の取扱可能な桁数を超える納付金額の場合は、ダイレクト納付内容確認画面に口座が表示されないことがあります。このため、登録状況の確認や納付金額の調整が必要になります。
  • セキュリティ・誤振替への懸念
    口座情報を複数登録することは利便性を高める一方で、管理を誤ると意図しない口座から引き落としが行われるリスクがあります。特に自動ダイレクトを利用する場合、基本口座と税目ごとの引落口座の優先順位を把握し、資金残高の管理を徹底しなければなりません。

ジンテーゼ(総合的評価)

e‑Taxのダイレクト納付で複数の預貯金口座を登録できるようになったことは、税目別に口座を使い分けられるなど納税者の利便性を大きく向上させる施策です。口座数に上限はなく、基本口座や税目ごとの引落口座を設定すれば自動的に引き落としてくれるため、毎回口座を選択する手間も省けます。一方で、金融機関ごとに対応状況が異なり、同一銀行の複数口座利用が認められていないケースや登録までの事務手続きが必要であること、申告後の受信通知から納付税額を複数口座に分割して引き落とすことができないなどの制約も存在します。複数口座の登録による利便性を享受するためには、利用する金融機関の対応や登録状況を確認し、口座管理や納付情報登録の手順を理解したうえで適切に利用することが重要です。

要約

  • 可能か否か: e‑Taxのダイレクト納付では、2018年1月から「ダイレクト納付利用届出書」を預貯金口座ごとに提出することで複数口座を登録でき、税目ごとに口座を選択して納付できます。
  • 口座数の制限: 登録できる口座数に上限はなく、自動ダイレクトでも複数口座から引き落としを選択できるため自動納付の設定にも対応します。
  • 注意点: 同一金融機関での複数口座利用の可否は銀行によって異なり、登録手続きが完了していない口座や取扱可能額を超える場合は口座が表示されません。また、電子申告の受信通知から納付税額を複数口座に分割することはできず、口座ごとに納付情報登録を行う必要があります。

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