会計上の「トレーディング」とは、単に「持っている資産をすぐ売ること」ではなく、短期的な価格変動で利益を得ることを目的として有価証券を売買する業務を指します。この目的を満たすために、同じ銘柄を短い期間で何度も売買し、その差額を積み重ねて利益を狙うのが特徴です。EYの解説では、時価の変動により利益を得る目的とは「短期間の価格変動により利益を得ることを目的として保有すること」であり、通常は同一銘柄に対して相当程度の反復的な購入と売却が行われると説明しています。そのため、このような有価証券を「トレーディング目的の有価証券」と呼びます。
一般的な長期投資が企業価値や配当の成長を期待して数年単位で保有するのに対し、トレーディングでは市場の短期的な値動きに対応してポジションを取ります。多くの場合、専任のトレーダーやディーラーが市場の情報を即座に読み取り、自社の資金を用いて短期間で売買を繰り返し、スプレッド(買値と売値の差)や評価差益を収益とします。投機的な要素はありますが、単なるギャンブルではなく、専門的な判断やリスク管理に基づいて行われる業務であり、会計上も「売買目的有価証券」として区分されます。

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