政治経済

資産バブルをどう抑えるか:マクロプルーデンシャル政策の役割

バブル抑制を目的としたマクロプルーデンシャル政策(以下、「マクロ政策」)は、金融システム全体に目を向けて資産価格の過熱や信用の過剰拡大を未然に抑えるための政策手段です。個別金融機関の健全性を重視する「ミクロプルーデンシャル政策」と異なり、シ...
政治経済

リーマンショック後の量的緩和と通貨希薄化

序論 – リーマンショックと未曾有の金融緩和2007〜2009年の世界金融危機は、リーマンブラザーズの破綻を契機に信用収縮が連鎖して「Great Recession」と呼ばれる不況に発展しました。米国では住宅市場の崩壊と金融機関の破綻が相互...
政治経済

新自由主義とマネタリズムの逆説:米国金融緩和の歴史的展開

新自由主義やマネタリズムは、1970年代半ばまで支配的だったケインズ主義を批判する形で登場した。ケインズ派は有効需要が不足すれば失業が生じると考え、財政政策や積極的な金融緩和で需要を支えるべきだと主張した。これに対しシカゴ学派を中心とするマ...
健康

炎症を鎮める湯の力

序論日本では古くから温泉療法(湯治)が行われてきました。温泉の効能は温熱効果、水圧・浮力などの物理作用、含有成分による化学作用、自然環境による心理的効果などが組み合わさったものであり、炎症疾患や慢性疼痛の治療手段として注目されています。一方...
生活

左足ブレーキ論争を整理する:違法性はなく、問われるのは操作の確実性

日本の道路交通法では、ブレーキペダルを踏む足を「右足に限る」と定めた条文は存在しません。安全運転義務を規定した道路交通法第70条では、運転者に対し「当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路・交通・当該車両等の状況...
投資

クリスマスラリーは神話か現実か

米国株式市場では、年末の限られた期間に株価が上昇しやすいという「クリスマスラリー(サンタクロース・ラリー)」という現象が語られます。具体的には、12月の最終5営業日と新年の最初の2営業日の合計7日間に市場が上昇する傾向があり、1972年に刊...
政治経済

日銀が最後の買い手となる構造:GPIFと国債市場の矛盾

背景長らく日本銀行(日銀)は量的緩和政策とイールドカーブ・コントロール(YCC)を通じて国債金利を歴史的な低水準に抑え、2020年代初頭には10年国債がほぼ0%、時にはマイナス金利となる異例の状況が続いた。2025年に入るとインフレ率が2%...
政治経済

ドル信仰の終焉と投資家の覚醒

長いあいだ投資家たちはドルを「世界の安全通貨」と考えてきた。米国は巨大な経済規模と透明な資本市場、法の支配による安定を背景に、危機のたびに資本を引き寄せ、海外の中央銀行も外貨準備の大半をドル建て資産で保有していた。この安心感こそがドル信仰の...
政治経済

金の流れで読む覇権と規制:シカゴ市場と上海市場の決定的差異

はじめに金は世界共通の価値保存手段であり、価格形成に大きな影響を与える国際的な貴金属市場がいくつか存在します。米国のシカゴにあるCMEグループ(COMEX部門)は金先物取引の中心であり、世界的な価格指標を提供しています。一方、中国の上海では...
政治経済

中国外貨準備の分散化戦略:金8%、米国債19%の意味

公式準備資産の内訳中国の国家外汇管理局(SAFE)が公表する「公式準備資産」統計では、外貨準備残高を「外貨準備」「基金組織(IMF)準備ポジション」「特別引出権(SDR)」「金」「その他の準備資産」に区分している。2025年11月のデータを...