230%と121%の対峙:日米政府債務

日本と米国の政府債務の規模

  • 日本は一般政府総債務の対GDP比が2025年時点で約230%となり、世界最高水準です。国債のほとんどを国内投資家や金融機関が保有し、日本銀行の買い入れも多い一方、人口減少と高齢化が今後の大きなリスク要因です。
  • 米国は2025会計年度末に政府総債務がGDPの約121%、うち外部に保有される「パブリック・デット」は約97%で、残りは年金基金など政府内部の資金です。利払い費が急増する一方で、基軸通貨としてのドル需要に支えられています。

弁証法的な視点からの検討

  • テーゼ(債務増大の危険性):債務が膨らむほど利払い負担が増え、社会保障や公共投資を圧迫します。また民間投資資金を吸い上げる「クラウディングアウト」の懸念もあります。
  • アンチテーゼ(債務容認の論理):日本円や米ドルのような主要通貨を発行する国は自国通貨建て債務を返済できるため、デフォルトの危険性が低い。低金利環境下では利払い負担が抑制され、債務で財政政策を実施することが景気安定化に寄与します。
  • ジンテーゼ(統合的な視点):成長率を高めて金利を上回るようにすること、社会保障改革や税制改革で歳出・歳入のバランスを改善すること、財政ルールと市場の信認を維持することが両国に求められます。

比較から見える特徴

  • 日本は国内資金で債務を賄えるものの、高齢化と潜在成長率の低さが財政の持続可能性を脅かしています。日銀の金融政策正常化による金利上昇もリスクです。
  • 米国は経済規模が大きく成長余地もある一方、政治的な債務上限問題や金利上昇が財政運営の不確実性を高めています。

要約

日本の政府債務は対GDP比230%前後で世界最高であり、米国も120%超まで上昇しています。債務が巨額でも自国通貨建てであれば危機ではないとの見方もありますが、利払いコスト増大や社会保障費の拡大は無視できません。財政の持続性を確保するには、成長力強化と歳出改革、税制の見直しに加え、信頼できる中長期的な財政戦略が不可欠です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました