実質金利が決める金価格:名目金利の限界


1971年のニクソン・ショックによりドルと金の兌換が停止し、1973年と1979年の石油危機も重なって米国の物価は急騰しました。米労働統計局の消費者物価指数(CPI)の前年同月比は「グレート・インフレーション」期に上昇を続け、1980年3月に約15%へ達したことがピークとされています。インフレを抑えるため、ポール・ボルカー議長下の米連邦準備制度は1980年末から1981年初めにかけてフェデラルファンド金利を20%近くまで引き上げました。この高金利政策の効果が現れるまでには時間がかかり、インフレ率が5%程度まで低下したのは1982年頃です。

金利の上昇は、金利を生まない金を保有する機会費用を高めるため、一般的には金価格の下落要因とみなされます。ただし重要なのは実質金利(名目金利からインフレ率を差し引いた値)であり、インフレ率が名目金利より高ければ実質金利は低下またはマイナスになります。その場合、購買力を守る手段としての金の魅力が増すため、金利引き上げが金価格の抑制に十分な効果を持たないこともあります。

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