政治経済

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市場の反逆:トラスショックが示した財政規律の極限

「トラスショック」は、2022年9月に英国の首相に就任したリズ・トラス政権が発表した大規模減税とエネルギー料金の補助金をきっかけに、英国債市場と通貨・株式市場が急変動した事例を指す。財政規律を無視した政策が金融市場の信認を失い、英国の長期金...
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金比率1割未満の日本:外貨準備とインフレ脆弱性

テーゼ:金準備が少ないほどインフレに弱いという主張日本の金保有比率は1割未満財務省の外貨準備統計によると、2025年時点で日本の総外貨準備は約1兆3,242億ドル、そのうち金は約932億ドルで全体の1割に満たない。民間資料では、約799トン...
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リフレ派とは何か

リフレ派とは、長期的なデフレ不況から脱却するために、金融緩和や財政出動を組み合わせて物価水準を緩やかに引き上げようとする「リフレ政策」の推進を主張する経済学者やエコノミストの総称である。日本でこの呼称が広く使われるようになったのは、デフレが...
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金利・円安と日本財政

テーゼ(主張)―「金利上昇も円安も日本財政には影響なし」純債務で見れば利払い増と資産利子収入が相殺されるという主張。 永濱利廣氏は、企業の財務を判断する際に資産と負債を差し引いた純債務を用いるように、政府も保有する金融資産を考慮した純債務で...
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8.2%成長の光と米国関税の影

主張(テーゼ)―インド経済は魅力的で投資に値する成長の力強さインドの2025年第3四半期GDPは前年同期比8.2%増と、市場予想(7.3%)を大きく上回りました。個人消費が税制優遇と低インフレに支えられ7.9%増え、製造業も9%強伸びるなど...
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1970年代の教訓と2025年市場

1. テーゼ:不景気でも株高は続く可能性があるマクロ環境と資産インフレ現代は金融緩和と膨大な流動性によって株式市場に資金が流入しやすい。2025年時点で米国のCPIは約3%であるものの、FRBは景気下支えのために利下げ方向に転換し、投資家心...
政治経済

BRICS通貨構想と金需要の未来

序論過去の金本位制では、米国や英国など一国が自国通貨と金の交換を保証し、金準備を自国の中央銀行や海外の金庫に保管することで国際金融の安定を支えていました。しかし1980年代以降の新自由主義的な金融緩和とマネーサプライの膨張により各国通貨の価...
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中国外貨準備の“見えざる弱点”:金比率の低さが生む戦略的脆弱性

戦略的脆弱性の具体的内容対米制裁リスク2022年にウクライナ侵攻を受けたロシアの外貨準備の約半分(約3,000億ドル)が米欧によって凍結されたことが各国の中央銀行にショックを与えました。ロシアはドルやユーロ建て資産の凍結により、人民元と国内...
投資

新自由主義下の金融緩和と金・金鉱株の評価—マネーサプライの流入による過去最高更新

序論新自由主義政策の下で各国の中央銀行はインフレ抑制よりも景気・金融安定を重視し、2008年の世界金融危機以降はゼロ金利政策や量的緩和を繰り返してきた。COVID‐19パンデミック期には財政赤字拡大と協調緩和が実施され、世界のマネーサプライ...
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中印の金積み増し戦略が語る「多極通貨体制」の到来

はじめに第二次世界大戦後に成立したブレトン・ウッズ体制は1971年の米ドルと金の交換停止で崩壊し、各国通貨は金に裏付けられない不換紙幣となりました。それ以来、外貨準備の中心は米ドルやユーロ、日本円などの通貨であり、金の割合は低水準にとどまっ...