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流動性が支配する市場―「金より現金」の論理

命題(テーゼ):有事には金とドルが同時に買われる従来、戦争や危機が起きると資金は安全資産に流れ、金と米ドルがともに上昇すると考えられてきた。事実、2022年にロシアがウクライナへ侵攻した際には、金価格もドル指数も大きく上昇し、両者の逆相関が...
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中央銀行が抱える米ドル資産の『多様な顔』

米ドル建て外貨準備の中身は「米国債」だけではありません。中央銀行は米財務省証券以外にも米政府機関債・住宅ローン担保証券(MBS)・企業債・銀行預金・米ドル紙幣など様々な米ドル資産を持っています。米ドル建て資産の内訳(2025年末・概算)項目...
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世界の中央銀行における外貨準備構成(降順)

最新の外貨準備割合(2025年末時点)2025年第4四半期に公表されたIMFの**外貨準備の通貨別構成(COFER)**データは、2025年9月以降に導入された新方法論(未報告部分を推計して100%とする)に基づくものであり、主要通貨と「そ...
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金急増・米国債離れが示す外貨準備の新たな潮流

世界の外貨準備を巡る議論は、米ドルの支配とその変化を中心に展開しました。2025年末のデータでは、世界の外貨準備総額の約56〜57%が米ドル建て資産で占められています。これに対し、金の比率が急上昇して24〜25%を占め、ユーロは約20%で続...
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日銀の外貨準備は何で構成されているのか ― 証券支配から金回帰への転換

外貨準備構成比率の現状日本財務省の統計によると、2026年2月末時点の外貨準備残高は1兆4,106億9,900万ドルであり、その内訳は外国通貨建て資産(証券と預金)、IMFリザーブポジション、特別引出権(SDR)、金、その他外貨準備に分けら...
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金相場下落は調整か転換か

テーゼ(肯定的立場)長期的な上昇トレンドへの確信: 金は長期的に価値が上昇しており、インフレや地政学リスクに対する安全資産として需要が高まっている。イラン情勢の緊迫化や米国株の不安定さは、金にとって追い風となる。調整は自然な節目: 金価格が...
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政策金利と市場金利の乖離を読み解く

政策金利(短期金利):連邦公開市場委員会(FOMC)がフェデラル・ファンド金利の目標レンジを設定し、公開市場操作や準備金への付利などにより短期市場の流動性を調整することで誘導します。2026年3月末時点ではこの上限が3.75%で、短期金利の...
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マネタリーベースとマネーストック:信用創造がつなぐ貨幣供給の仕組み

日本の金融統計では、マネタリーベースは中央銀行が直接供給する基礎貨幣(日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金)の合計を指し、金融政策の調整目標として利用されます。マネーストックは金融部門全体(民間銀行・信用金庫など)が経済に提供する通貨...
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FREDで読む実質金利──TIPS利回りの調べ方完全ガイド

以下では、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表している「物価連動国債の利回り(TIPS)」データを、FRED(セントルイス連銀のデータベース)サイトで調べる具体的な手順を説明します。ここでは5年物・7年物・10年物の利回りを例にします。1....
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TIPSが示す市場の葛藤──戦争インフレと中央銀行の静観

以下では、2026年2月末に始まったイラン攻撃後の米国TIPS(インフレ連動国債)利回り(2〜10年相当)と、中東湾岸地域のエネルギー施設への攻撃によるインフレ上昇・主要国中央銀行の政策金利据え置きを踏まえ、実質金利がどう変動するかを弁証法...