金融

金利

日本の政策金利と国債利回りの歴史──10%の壁を超えたことはあったのか

1. 戦後の公定歩合(基準割引率・基準貸付利率)戦後、日本銀行は政策金利として公定歩合(現在の「基準割引率および基準貸付利率」)を用いてきました。日本銀行の公式表では、1955年以降の公定歩合は最高でも 9.0% しかありません。1973年...
通貨

強い通貨と創造する国家──経常赤字の米国が技術革新を続ける理由

はじめに経済学における通貨価値の動きは、貿易や投資だけでなく国家の姿勢や政策にも影響を及ぼす。ユーザーが提示した問題は、**「通貨高はその国を高慢にさせる」という主張と、「経常赤字が莫大な米国は通貨価値を担保するため、デジタルサービスなど魅...
金融商品

年率16.8%の裏側 ― ゴルカンの標準偏差23%が意味するもの

年率23.0%という「リスク(標準偏差)」は、過去データから算出したリターンのぶれ幅の大きさを示しています。資産運用で言うリスクは危険性のことではなく、リターンが平均からどれだけ上下に揺れるかという不確実性を指します。標準偏差は、その揺れ幅...
金融

ドル覇権の揺らぎと金回帰 ― 制裁リスクかインフレ懸念か

中央銀行の外貨準備構成を見ると、近年ドルの比率が緩やかに低下し、金の保有が増えています。通俗的な説明は、ロシアのウクライナ侵攻後に米欧が露中央銀行の資産を凍結し、SWIFTから主要銀行を切り離したことにより「ドル資産は地政学的リスクを伴う」...
金融

中立金利とターミナルレート―均衡点と到達点

正(テーゼ):両者は一致するという見方中立金利とは、経済を過熱も減速もさせない均衡的な政策金利の水準を指します。自然利子率(景気を中立に保つ実質金利)に期待インフレ率を加えたものが名目中立金利であり、潜在成長率や人口動態などの構造要因に依存...
金融

後手に回る中央銀行――ビハインド・ザ・カーブ

金融における「ビハインド・ザ・カーブ(Behind the curve)」は、中央銀行など金融当局が景気の変化に対して後手に回る状態を指します。景気後退期に後追いで急激な金融緩和を行ったり、物価が急上昇しているにもかかわらず利上げを遅らせる...
通貨

ドルの希薄化と金の再評価 ― 通貨供給量増大の帰結

グラフが示す通り、ニクソン・ショック以降の半世紀で米国のM2は持続的に拡大し、特に金融危機やコロナ禍後には急増しています。一方、金価格は急上昇と調整を繰り返しながら長期的には上昇トレンドにあります。このデータをもとに、通貨供給量の増大と金価...
通貨

信用が支え、金が補完する

テーゼ:通貨はその国の財・サービスの購入権経済学では、通貨は主に「交換手段」「価値貯蔵」「価値尺度」「支払手段」という機能を果たす。その中でも「交換手段」としての役割が最も重要であり、現金や銀行預金など人々が広く受け入れるものが貨幣となる。...
通貨

M1・M2・M3とは何か

現代の貨幣供給量は、流動性や発行主体の違いに応じて階層的に分類されることが多く、代表的な指標が M1、M2、M3 である。M1 は最も狭義の通貨量であり、現金通貨と当座預金など決済に即時利用できる預金通貨で構成される。M2 は M1 に加え...
未分類

通貨供給量を見るならどちらか――マネタリーベースとマネーサプライ

定義と基本的な違い**マネタリーベース(ベースマネー)**は、中央銀行が直接供給する通貨であり、「流通している銀行券・硬貨」+「銀行など金融機関の中央銀行当座預金残高」で構成されます。米連邦準備制度理事会(FRB)も同様の定義を採用しており...