CDSのスプレッド(Credit Default Swap Spread)とは、信用リスクに対する保証料率を意味し、一般に信用リスクの高さを表す指標として使われる。
① CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)とは
- CDSとは、債務者(企業や国家)の信用リスク(債務不履行=デフォルト)に備えるための金融デリバティブ(金融派生商品)。
- CDS契約を結ぶことで、保護を買った側(プロテクション・バイヤー)は、債務者がデフォルトした際にプロテクション・セラー(保証を売った側)から損失補償を受けられる。
② CDSスプレッドとは何か
- CDSスプレッドは、保護を買う側が売る側に定期的に支払う保証料率(プレミアム)のこと。
- 通常は、ベーシスポイント(bps)(1bps=0.01%)という単位で表される。
【例】
- CDSスプレッドが200bpsの場合:
- 債務保証額1億円に対し、年間保証料は200bps(=2%)なので、年間200万円の支払いが発生する。
③ CDSスプレッドの意味(リスクの指標)
- CDSスプレッドが拡大(上昇)すると:
- 債務者の信用リスクが上昇していることを示す。
- 保証を提供する側にとってリスクが増えるため、保証料も高くなる。
- CDSスプレッドが縮小(低下)すると:
- 信用リスクが低下していることを意味する。
- 市場の信用評価が改善され、保証料も安くなる。
④ 実務上の利用例
- CDSスプレッドは、市場が債務者の信用力をどのように評価しているかを示すリアルタイムの指標であり、債券投資や企業分析、ソブリンリスク評価において重要視される。
【具体例】
- リーマンショック前後では、金融機関のCDSスプレッドが急激に拡大し、信用リスクの高まりを示した。
【まとめ】
CDSスプレッドとは、債務者の信用リスクに対する保証料率のことであり、数値が大きいほど信用リスクが高く、小さいほど信用リスクが低いことを示す重要な金融指標である。
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