税務会計

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必要経費の三要件:直接性・客観性・区分可能性をめぐる裁決の論理

主題の概要この裁決では、不妊治療専門クリニックを経営する審査請求人が、所得税の計算において開業費の償却費、接待交際費および旅費交通費を必要経費として認めるよう求めました。一方で税務署(原処分庁)はその大部分を認めず、過少申告加算税を賦課しま...
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貸倒引当金の個別評価と一括評価における「実質的に債権に含まれない金額」に支払手形が含まれる/含まれない理由

貸倒引当金は個別評価と一括評価に区分され、それぞれ対象債権から相殺できる金額を控除するが、その範囲は異なる。個別評価では法的形式が重視され、支払手形は裏書や割引により第三者へ譲渡されている可能性が高いため、当社と債務者間で相殺できる債務とみ...
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定期積金給付補填金はなぜ雑所得なのか:契約構造から読み解く所得区分の本質

1. 正:一般の預貯金利子は「利子所得」である所得税法では、預貯金の利子や公社債の利子などが「利子所得」に分類されます。利子所得の金額は受け取った利息の全額とされ、支払時に所得税15.315%と住民税5%が源泉徴収され、確定申告をすることは...
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社会保険料か、社会保険税か:二つの呼び名に宿る制度の二面性

問題提起社会保険制度は、病気・老齢・失業など生活上のリスクに対して給付を行うしくみであり、財源として加入者や事業主が支払う「社会保険料」と国庫負担がある。一方、近年は「社会保険税」という呼び名も目にするようになった。なぜ二つの呼び名が存在す...
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第二表の一行が分かつ課税と非課税:漁業者申告における実務

テーゼ:漁業者の非課税所得を正確に記入することの意義事業税は都道府県が課税する地方税であり、所得税とは別に計算される。日本では農業・林業・漁業などの第一次産業に対し一定の免税措置が設けられており、漁業については「主として自家労力を用いたもの...
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成長段階で変わる会計規範:中小会計要領と指針の補完関係

序論中小企業の財務諸表は会社法上の計算書類作成に加えて税務申告・資金調達・経営管理など多様な目的に使われます。大企業向けの会計基準は複雑で中小企業には適用が難しいため、**中小企業の会計に関する指針(中小指針)と中小企業の会計に関する基本要...
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会計の「資本」vs 税務の「利益」:利益積立金と純資産の思想的差異

正(テーゼ): 財務会計における純資産の役割純資産は株主資本の全体像を示す財務会計では、貸借対照表の純資産の部を資本金、資本剰余金、利益剰余金などに区分し、会社の資金調達源泉と留保利益を明示する。特に利益剰余金は過去の利益の累積額であり、配...
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投資有価証券売却益の表示区分と弥生会計での処理対応

有価証券売却益の営業外収益・特別利益区分基準経常性や重要性、発生頻度に基づく区分: 中小企業の会計指針では、企業の本業以外で発生する有価証券売却益を「経常的(継続的)かつ重要性が低いもの」か「臨時的・偶発的で重要性が高いもの」かで損益計算書...
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通常性と例外性の弁証法:経常損益・特別損益の峻別基準

経常損益と特別損益の基本概念**経常損益(経常利益)**は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた営業利益に、受取利息や支払利息などの「営業外損益」を加減して求める利益である。企業が普段行っている営業活動や、その延長線上で継続的に発...
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その他有価証券と投資有価証券の混同を解く:会計目的とB/S表示

はじめに企業が保有する株式や債券などの有価証券は、保有目的や保有期間によって複数の区分に分類されます。「その他有価証券」と「投資有価証券」は名称が似ているため混同されがちですが、それぞれ異なる概念です。前者は金融商品会計における保有目的によ...