最新のWorld Gold Council(WGC)のレポートによれば、2024年の世界全体の金需要(OTC取引除く)は約4,553.7トンでした。その用途別内訳と割合は以下の通りです。宝飾(ジュエリー)が最も大きく、次いで投資(金地金・硬貨等)、公的部門(中央銀行)、産業用途(テクノロジー)などが挙げられます。
用途カテゴリ | 小分類・例 | 需要量 (2024年, t) | 構成割合 (%) |
---|---|---|---|
宝飾(ジュエリー) | ‒ | 1,877.1 | 41.2 |
産業用(テクノロジー) | 電子部品 | 270.6 | 5.9 |
歯科用 | 8.9 | 0.2 | |
その他工業用途 | 46.5 | 1.0 | |
投資(実物) | 金地金 (インゴット) | 860.0 | 18.9 |
硬貨(法定金貨・銀貨) | 201.0 | 4.4 | |
メダル/模造コイン | 125.2 | 2.8 | |
中央銀行等(公的部門) | ‒ | 1,044.6 | 22.9 |
合計(OTC除く) | ‒ | 4,553.7 | 100.0 |
- 宝飾(ジュエリー):2024年のジュエリー消費は約1,877トンで、金需要の約41%を占めます。高価格下でもインドや中国の需要を背景に堅調でした。
- 産業用(テクノロジー):電子機器や歯科材料などで使われる技術用途は計約326.1トン(約7%)です。うち電子部品が約270.6トン(6%)、歯科用が8.9トン(0.2%)、その他工業用途が46.5トン(1.0%)でした。近年ではAI関連需要の拡大も寄与しています。
- 投資(実物):金地金や法定金貨を買う投資需要は合計約1,179.5トン(約26%)に達しました。細目では地金(インゴット)が860.0トン(19%)、法定金貨・銀貨が201.0トン(4.4%)、メダル類が125.2トン(2.8%)で、これら計1,186.3トンが需要の大半を占めます。年末にかけてはETFで微小(+6.8トン)の資金流入がありました。
- 中央銀行等(公的部門):中央銀行の購入など公的部門向け需要は約1,044.6トン(約23%)でした。過去数年にわたる積極的な買い増しが続いています。
- その他・合計:上記カテゴリ合計は4,553.7トンで、金需要全体の100%を占めます(表中Percent欄)。なお、世界需要全体(OTC取引を含む)は4,974.5トンにのぼります。
出典: World Gold Council「Gold Demand Trends Full Year 2024」および同プレスリリース。各カテゴリのデータはWGC集計による最新値です。
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