持たずに済む豊かさ――所有への依存を減らし、自由に生きる

処世術

豊かさは、所有物の多さだけでは測れない。財産や地位の維持に追われれば、選択の自由を失うこともある。大切なのは、貧困を美化することではなく、生活を支える資産を確保しながら、自分にとっての「十分」を知ること。必要以上の所有や他人の承認に依存しない生き方が、時間と心の余裕を生む。

① 所有が増えても、自由が増えるとは限らない

高級車、大きな家、高い社会的地位を手に入れると、満足と同時に、「維持しなければならない」「失ってはいけない」という不安も生まれます。

その維持のために、嫌な仕事や不本意な人間関係から離れられなくなることもある。自分が所有物を使っているつもりでも、生活の選択が所有物に左右されてしまうわけです。

② 「持たずに済む」とは、選択権を持つこと

例えば、他人に認められなくても自分の価値を見失わない人は、承認を得るために無理をする必要がありません。高価な娯楽がなくても、読書や散歩、思索を楽しめる人は、少ない支出で充実した時間を過ごせます。

ここでの豊かさは、我慢の強さよりも、「これがなければ幸せになれない」という条件の少なさです。

条件が少なければ、それだけ生活を自分で選びやすくなります。

③ 貧困を美化する言葉として読むべきではない

食事、住居、医療まで不足している状態と、自分の意思でぜいたくを必要としない状態は、明確に違います。「買えないので諦める」ことと、「買えるけれど必要としない」ことも同じではありません。

一定の資産は、生活を守り、他者への依存を減らすために役立ちます。したがって、この言葉は資産形成とも両立します。問われるのは、資産の額に加えて、その資産によって、自分の時間や判断の自由がどれだけ確保されているかでしょう。

「もっと持ちたい」という欲望だけで豊かさを測ると、満足はいつも先送りされます。「自分には何があれば十分なのか」を知ることで、すでに持っているものを楽しむ余裕が生まれる――そういう言葉です。

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