基軸通貨ドルが支える米国市場の構造的優位性


米国の株式市場は、企業の高い収益性とイノベーションによって支えられている。例えば、S&P500の「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手IT企業は平均20%前後の利益率を持ち、豊富なキャッシュと安価な資金調達力を背景に研究開発やM&Aに積極的に投資している。また、これらの大型IT企業だけでS&P500時価総額の約3分の1を占めており、ITセクターの高い構成比率が株価を押し上げている。

さらに、米国企業は株主への還元にも積極的だ。2024年にはS&P500企業が配当と自社株買いで合計1.6兆ドルを株主に返還し、その約6割が自社株買いだった。こうした大規模な還元策が株価の下支えとなっている。加えて、米連邦準備制度理事会(FRB)が2023年12月に金融政策スタンスを緩和したのち、株式のリスクプレミアムが低水準で推移し、金利が株価に与えるマイナス影響は小さくなった。

一方、米国市場には特有の支援材料もある。米ドルは第二次世界大戦後から世界の基軸通貨であり、その地位と米国債の深く流動的な市場が世界の金融システムを支えている。米国債は極めて安全で流動性が高いことから「世界の安全資産」とされ、こうした特別な地位が米国債の価格を押し上げ、米国の借入コストを引き下げている。このため、基軸通貨ドルと米国債への需要が米国の資産価格を底堅くしており、米国市場の強さを支えているといえる。

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