マネタリーベースとマネーサプライの違い――現金・預金・準備預金を整理する

金融

マネタリーベースとマネーサプライの違いは、「FRBが供給するお金」と「家計や企業などが保有するお金」の違いです。どちらも貸付金の残高ではありません。

まず、お金を3つに分けると理解しやすくなります。

種類具体例
現金財布・レジ・銀行の金庫にある紙幣や硬貨
銀行預金家計や企業が民間銀行の口座に持つ残高
FRB準備預金民間銀行などがFRBの口座に持つ残高

現金と預金は別のものです。 銀行口座に100ドルあっても、それは紙幣100ドルを持っていることとは区別されます。

この区別を使うと、両者は次のように整理できます。

指標含まれるもの
マネタリーベース流通現金+FRB準備預金
マネーサプライのM1家計や企業などが持つ現金+要求払預金・貯蓄預金など
マネーサプライのM2M1+小口定期預金+個人向けMMF

米国のマネタリーベースの「流通現金」には、銀行の金庫にある現金や、海外で保有されている米ドル現金も含まれます。一方、M1・M2の現金部分には、銀行の金庫にある現金は含まれません。www.federalreserve.gov

貸付との関係は、**「貸付によって生まれる預金を数える」**と考えると明確です。

例えば、民間銀行が企業に100ドルを貸し、企業の口座へ入金すると、銀行には「貸付金100ドル」、企業には「預金100ドル」が生まれます。マネーサプライに数えるのは企業の預金であり、貸付金を重ねて加算するわけではありません。

同様に、FRBが銀行に貸し付けて準備預金を増やした場合、マネタリーベースに数えるのは準備預金です。FRBは国債の購入によっても準備預金を供給できます。

つまり、覚えるポイントは次の3つです。

  • 流通現金は紙幣・硬貨であり、預金を含まない。
  • マネタリーベースは現金とFRB準備預金を数える。
  • マネーサプライは民間が持つ現金・銀行預金などを数える。

両者は現金部分が重なる一方、それぞれ異なる預金を含みます。そのため、「マネタリーベース=マネーサプライ+FRB準備預金」ではなく、マネタリーベースが増えてもマネーサプライが同じ割合で増えるとは限りません。

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