別表五(一)の読み方──繰越損益金・納税充当金と決算書の対応

税務会計

別表五(一)は、決算書の残高を基礎に、会計と税務の差額を加減して「税務上の利益積立金額」を管理する明細書です。 繰越損益金と納税充当金は、まず決算書のどの項目に対応するかを押さえると整理できます。

決算書の項目別表五(一)の対応項目通常の関係
繰越利益剰余金繰越損益金同じ時点の残高は通常一致
利益準備金・任意積立金利益準備金・各積立金繰越損益金とは別行で管理
未払法人税等納税充当金通常の決算処理では期末残高が対応

繰越損益金は、税務調整後の累積利益そのものではありません。 決算書の繰越利益剰余金に対応する欄です。減価償却超過額などの留保項目は、原則として別の行に記載します。したがって、税務調整があるからというだけで、繰越損益金と繰越利益剰余金がズレるわけではありません。www.nta.go.jp

例えば、利益準備金100万円、任意積立金200万円、繰越利益剰余金700万円なら、決算書の利益剰余金合計は1,000万円です。一方、別表五(一)の繰越損益金は700万円になります。合計1,000万円との不一致は正常ですが、繰越利益剰余金700万円との不一致には原因の確認が必要です。

納税充当金は、会計で納税に備えて計上した金額を申告書上で管理する項目です。 現金を別口座に積み立てる意味ではありません。通常、次の仕訳で生じる未払法人税等に対応します。

決算時:
法人税、住民税及び事業税 / 未払法人税等

翌期の納付時:
未払法人税等 / 普通預金

申告書では、決算時の計上を納税充当金への繰入れ、納付時の処理を取崩しとして管理します。www.nta.go.jp

ただし、別表五(一)の「納税充当金」と「未納法人税・未納住民税等」は役割が異なります。

項目利益積立金額の計算での役割
納税充当金会計上の税金費用で減った利益をいったん戻す
未納法人税・未納住民税等税務上差し引く法人税・住民税等を反映する

両方を記載しても二重計上ではありません。また、納税充当金には事業税も含まれ得ますが、未納法人税・住民税等の欄には事業税を混ぜません。www.nta.go.jp

実務では、①繰越損益金と繰越利益剰余金、②納税充当金と未払法人税等、③留保項目と別表四の対応を確認します。所得・税額が正しくても、別表五(一)の残高や内訳に記載ミスが残ることはあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました