消費税の取引区分――課税・免税・非課税・不課税の違い

税務会計

全体像

消費税の課税対象になるのは、原則として次の2種類です。

  1. 国内取引
  2. 輸入取引

国外で完結する取引は、日本の消費税の対象外です。


1.国内取引

国内取引は、まず次のように分かれます。

①「資産の譲渡等」に該当する取引

「資産の譲渡等」とは、事業として対価を得て行う次の取引です。

  • 商品・建物などの販売
  • 資産の貸付け
  • サービスの提供

さらに、次の3種類に分類されます。

課税取引

通常どおり消費税が課税される取引です。

例:

  • 商品の販売
  • 事務所の賃貸
  • コンサルティング業務
  • 飲食店や小売店の売上

原則として10%、一定の飲食料品などには軽減税率8%が適用されます。

免税取引(輸出免税)

本来は課税取引に該当するものの、輸出などについて消費税を0%とする取引です。

例:

  • 商品の輸出
  • 国際輸送
  • 非居住者に対する一定のサービス

売上に消費税を課さない一方、対応する仕入れについて仕入税額控除を受けられる点が、非課税取引との大きな違いです。

非課税取引

消費税になじまない、または社会政策上の配慮から課税しない取引です。

例:

  • 土地の譲渡・貸付け
  • 住宅の貸付け
  • 有価証券の譲渡
  • 預貯金や貸付金の利子
  • 保険料
  • 一定の医療・介護・教育サービス

非課税売上に対応する仕入れは、原則として仕入税額控除の対象になりません。


②「資産の譲渡等」に該当しない取引

これは「不課税取引(課税対象外取引)」です。

例:

  • 給与の支払い
  • 寄附金・祝金・見舞金
  • 配当金
  • 損害賠償金
  • 保険金
  • 単なる資金の移動

そもそも「事業として対価を得て行う資産の譲渡・貸付け・役務提供」に当たらないため、消費税の計算対象に入りません。


2.国外で行われる取引

取引場所の判定によって国外取引となるものは、日本の消費税の課税対象外です。

したがって、分類上は「不課税取引」になります。

ただし、外国企業からインターネット経由で受けるサービスなどには、国外取引とは別に「国外事業者から受ける電気通信利用役務」などの特別な規定があるため、個別判定が必要です。


3.輸入取引

外国貨物を保税地域から引き取るときの取引です。

課税輸入

通常の商品を輸入して、税関から引き取る場合です。輸入者が輸入消費税を納付します。

非課税輸入

国内で譲渡しても非課税となる物品など、法律上限定されたものです。

例:

  • 一定の有価証券
  • 郵便切手類
  • 身体障害者用の一定の物品

特に重要な違い

区分意味売上の消費税対応する仕入税額控除
課税取引通常の課税対象課税原則可能
免税取引輸出などの税率0%取引0円原則可能
非課税取引政策上・性質上課税しない課税しない原則不可
不課税取引そもそも課税対象外課税しない原則不可・対象外

まとめ

判定の順序は、次のように整理できます。

  1. 国内取引か、国外取引か、輸入取引か
  2. 国内取引なら「資産の譲渡等」に該当するか
  3. 該当するなら、課税・免税・非課税のどれか
  4. 該当しなければ不課税取引

最も混同しやすいのは「免税・非課税・不課税」です。

免税は「課税取引だが税率0%」、非課税は「法律により課税しない」、不課税は「最初から消費税の対象外」と理解すると整理しやすくなります。

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